雨の恋路
「安心して、雨美」
そう言って、今度は俺が
強く雨美を抱きしめる。
それに答えるよう、雨美は俺を抱きしめる腕を強めた。
暫らくの間抱きしめ合っていた俺たちは、ゆっくり体を離すと、見つめあって、お互い笑いあった。
「じゃあ……遅いし帰ろうかな?」
置いていた鞄を持ち立ち上がった
雨美の腕を、反射的に握った。
「ひかる?」
「いや、その……さ」
俺は決意を決めて、
ゴクッと生唾を飲む。
「今日、泊まってかない?」
「え……?」