雨の恋路
「その……あのさ「トイレ!」
「……え?」
「あ、あたしトイレ行ってくるっ」
今すぐこの場から立ち去りたい!
そんな思いから、あたしはトイレに逃げ込むことにした。
ガシッ―
しかし光の腕が……
それを許してくれない。
「本当にトイレ?」
「も、もちろん……」
「じゃあ、俺の目を見て言って?」
光から目線を逸らしていたあたしは、ゆっくりと光に目を向ける。
だけど目が合う直前に、後ろめたさからか、パッと逸らしてしまった。
「雨美、」
「……」
「とりあえず、座って」
光に言われた通り、あたしはその場にストン―と座った。