雨の恋路
「光の馬鹿…っ」
そう言い残し部屋を出ようとした瞬間、ふわっと暖かい何かに、あたしは包まれた。
「ひか……る?」
暖かい何かとは、もちろん光。
あたしは後ろから、
抱きしめられていた。
「帰んなよ」
「光が……笑うからでしょう」
「悪かったって。でも可愛いかったんだから仕様がないだろ?」
「か、可愛いって!何処がよっ」
可愛いところ何て1つもなかったじゃないっ。恥ずかしいところは……山ほどあったけど……。
「別に恥ずかしがるところなんて、1つも無いじゃん。俺とのこと意識して、確認しようとしたんだろ?俺は逆に……嬉しいけど」
「でも…その現場を見られたら、さすがに誰でも恥ずかしいよっ」
「そうだな……。笑ってごめん」
あたしの肩に頭を乗せ
謝る光が可愛くて……。
あたしはコクリと頷いた。