雨の恋路


クルッと光の方へ振り返り、あたしの頭1個分も上にある、光の顔を覗き込んだ。




「雨美、好きだ」



唐突に放たれた愛の言葉。
真っ赤に火照る、あたしの頬。




「雨美、好き……」




「ひかる……」




だんだんと近づいてくる光の顔。

それと同時に、
あたしはそっと目を閉じた。




「…ん……」



甘く、優しいキス。
あたしの不安を、一気に奪い去った。




「ん……ふん……んぁ!?」



息をしようとした瞬間に
ねじり込まれた光の舌。



今までこんなキスしたことが無かったあたしは、光を追いかけるだけで精一杯。




「う……み…っ」




キスの間にあたしを呼ぶ光に
何か分からない快感が生まれる。





そっと唇を離すと、
あたしはそのまま崩れ落ちた。



「ハァ…ハァ……きゃっ!?」





呼吸を整えている途中に、
あたしの体は宙に浮いた。




えぇ!?

これは……俗に言う
お姫様抱っこってやつ!?

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