雨の恋路
軽々とあたしを抱きかかえた光は、そのままベッドに向かった。
ボスッと優しくあたしをおろすと、その上に乗りかかった。
「雨美……良いよな?」
「え、その、でも……まだ明るいし」
「電気を消せば良い」
「でも、まだ外も明るい……でしょ?」
「大丈夫。飲み物取りに行った時、丁度雨が降り出してたから」
「え?」
あたしは、もう何も言えなくなり真っ赤になると、光はニコッと微笑んで、部屋の電気を消しに行った。
パチッと電気の消える音と同時に、部屋の中は真っ暗になった。
目が見えなくなったことで耳に神経が集中し、外からはさっきまで聞こえなかった、ザーザーと雨の降る音がした。
「雨、本当に降ってるんだね」
「ああ」
最初は明るいところから急に暗くなったため何も見えなかったが、次第に目もこの暗闇になれて行き、全体が見えるようになった。
パッと光を見ると、ゆっくりとベッドに近づいて来ている。