雨の恋路
「普通じゃない?」
「いや~、普通は作れねーと思うけど」
「んー、まぁ人それぞれでしょ。早く作ろ。光は手伝ってよね」
「……んっ」
「……何?急に元気なくなっちゃって」
変なこと言ったかな?
「いや、急に立場が逆転したなと思ってね」
「立場?」
光の顔を横で見ながら玉ねぎを向き、光は冷蔵庫からひき肉を取り出す。
「何でもね。作ろ」
「?……うん」
それから、あたしの言葉にテキパキ動く光を見て、『立場』ってこのこと?
何て思ったけど、
あえて言わないことにした。
このままもう少しあたしが上でも、罰当たらないよね。