雨の恋路
全て食べ終わり、片付けでもしようかなと思った時、光はリビングへ戻ってきた。
「あー、サッパリした。雨美も入って来いよ」
「あ、うん。でも服が……」
「あぁ。それなら用意しといたから、大丈夫だよ」
「それにお皿……」
「ハハッ、そんなの俺がやっとくから。早く入れよ」
結局、光にそう急かされ、
あたしはお風呂場へ向かう。
カチャカチャとお皿の音が聞こえる中、服を脱ぎ、中へ入る。
一通り体を軽く洗った後、浴槽へと入った。
「うー……、イタイ……」
本当はさっきから我慢してた。
けれど光に心配をかけたくなくて、平気なフリをしていた。
それに、痛いってことは
光と一つになったという証。
それが嬉しくて……幸せで。
「光に逢えて、本当によかった」
なんて口に出しては言えなくて。
心の中で、そっと呟いた。