雨の恋路
お風呂から上がったあたしは、リビングに戻った。
すると光は、ソファーに座りながらテレビを見ていた。
「ひ、ひかる……」
「おー、上がった……のか」
最後の方が、だんだんと小さくなっていった光の声。
振り返った光の顔が赤く染まりだし、驚き見開く目。
「な、何か……変?」
「服……でかかったな」
「あ、うん。少し……」
光の服は少し大きくて、
手が袖に隠れてしまうほどだった。
「一先ず……隣、座れよ」
光は少しぶっきら棒にそう言うと、テレビの方へと向き直った。
そんな光を疑問に思いながら、
光の横へチョコンと座った。
座った直後、握られた手―
突然のことで、
体温が一気に上昇する。
「なんかさ……そういうの」
「え?」
「可愛くて、照れる……」
そっぽを向いて言う光に、胸がキュンとした。
だって……
「光、耳…真っ赤……」