雨の恋路



ちょいちょいっと手招きして、光を呼ぶ。



「耳、貸して」



光はあたしのその言葉に膝を曲げ、耳を傾ける。





「また……してね」



消えるよな声で、そう伝える。

光の顔は……真っ赤っか。




「雨美…!おまっ…-」




ニコッと笑うと、そのままキッチンへ向かった。




光は……未だその場に立ち尽くしたまま。



ふふ、かっわいー。

何て言ったらまた怒るから、心の中で。






「光、朝食にしよう!」



あたしのその一言で我に返った光は、「ぉぅ……」と小さく呟いた。







その後作ったホットケーキは、本当に美味しくて、幸せだった…-

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