雨の恋路


「じゃぁ、帰るね」


「おう」



朝食を食べた後、着替えたあたしは家に帰ることにした。




「お邪魔しました」


「いつでもどうぞ」



あたしの髪をクシャっと撫でる光の手。



「もう、せっかく梳いたのに」



何て言いながらも嬉しくて、つい口元がほころぶ。



「雨美、今日予定ないだろ?」


「え、ない……けど?」


「じゃ、遊びに行こうぜ」


「え!?あ、うん!」



光との外デート、久しぶりだ。

ウキウキした胸を押さえながら、靴を履く。



「じゃあ、またね」


「おう、連絡しろよ。迎えに行くから」



返事をする代わりにニコッと微笑むと、玄関のドアを開けた。




そして玄関を出た瞬間目に映った人物に、頭の中が真っ白になる。



どうして……いるの?


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