雨の恋路
「雨美、ごめんな?怖かっただろ?」
急に立ち止まった光は、
そう言って頭を下げた。
「ごめん!」
「どうして光が謝るの?」
伏せていた顔を上げ、あたしの目を見ずにポツリと話し出す。
「原因は俺だ。俺が……」
そっと、光の唇に人差し指を添える。ハッとした光はあたしの目を見た。
「言わないで。光は何も悪くない」
「…………。」
「結局何もなかったんだから。気にすることないよ」
唇からゆっくりと指を離す。
それと同時に
抱きしめられた体。
「もう、傷つけない!俺が、雨美を守るから」
「うん……。約束ね」
そう呟いて、
光の背中に腕を回した。