雨の恋路
第6章…崩落
-UMI-
「あー!いっけない、遅刻だ」
大慌てで仕度をし、
そのまま階段を駆け下りる。
「雨美ー、ご飯はー?」
「ごめん、いらない!」
リビングに顔を覗かせそう言うと、そのまま玄関に直行する。
「行ってきまーす」
「行ってらっしゃい」
そんな母の声を耳に残し、
ドアを開け、閉める。
いつも通りの朝だった。
ただ、いつもより少し寝坊しただけ。早く、光に会いたかっただけ。
ただ…それだけだったのに…-