雨の恋路
「どうしよう……、完ぺき遅刻だ」
いつもなら別に
気にしないんだけど……。
光が今日「渡したい物があるから朝一番に会いに来い」って言ってたし。
どうしてこんな日に
かぎって遅刻するのよ!
…っと心の中で叫びつつ、
ある道でストップする。
右の道から行ったら、
近道なんだよね。
でも、この道は……。
右の道は薄暗く、家も少ない。
その為、朝にも関わらず痴漢があったり、……レイプがあったこともある。
「でも……早く光に会いたいし」
顎に手を当てつつ右を見たり、やっぱりとまっすぐそのまま行こうとしたり、結局はどっちも決まらない。
その間にも時間は
刻一刻と過ぎて行く―
「あぁー!もういいや!今日だけなんだから」
そう軽く叫び、
薄暗い通りへ足を踏み入れる。
それから数分後に待ち受ける最大の恐怖と絶望に何て、気付くことはなかった…-