雨の恋路

「心配かけたくない」

この思いだけが、
あたしの全てを支配した。




そして……-
早く解放しなければ。


光を……あたしから―







あたしは一日休み、次の日には学校へ行くことにした。







―――――――――




「雨美……。無理しなくて良いのよ?休んでも全然……」




「もう、心配しすぎだって!大丈夫だから」




「でも……」



「ほら、もう遅刻しちゃう!行ってきま~す!」



「雨美!」



後ろで叫ぶ母の声を
ドアの音で遮った。




大丈夫、大丈夫……。

そう自分に言い聞かせ、
地面に一歩、踏み出した。

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