雨の恋路

俺はそう言って
ベッドの端に腰掛けた。


その近くで、ベッドから起き上がる彼女が目の端に映った。



「ヒッ……どういう…っ…はぁ…こと?」


すると彼女は手で涙を拭いながら、俺にそう聞いてきた。



…もう言っても良いよな。



「お前…会った時、泣きそうな顔してた。なのに泣いてねぇんだもん。何か見てて腹立ってきたんだよ。だから無理矢理でも……泣かせたかったんだ……」



俺はそう言うとまだ泣き止まない彼女の涙を指で拭った。



でも俺……やりすぎた、よな。

< 21 / 278 >

この作品をシェア

pagetop