雨の恋路
「一緒に行こう?」
「う、うん」
光にそう言われたことで、
やっと動いたあたしの足。
ホッと息をつく。
よかった……。
光にバレないで済む。
「で、どうしたんだよ?何かあったのか?亜由ちゃんだって心配してたぞ?」
「うん……」
「メールしても返って来ないしさ」
「うん、ごめん」
「謝るんじゃなくてさ、何があったんだよ?」
本気であたしのことを
心配してくれてる。
駄目なんだ、それじゃあ。
光に甘えたら、駄目なんだよ。
「あのね、光」
「なに!?」