雨の恋路

「雨美?」


「え?あぁ、ごめん。何?」



「うん……。ちょっと職員室に行きたいんだけど、ついて来て欲しいなって……」



「全然いいよ。いこっ」



あたしはを立つと、亜由ちゃんと一緒に職員室に向かった。




亜由ちゃんと他愛も無い会話をしながら、道形に廊下を進む。





「それでね、洋平がきの…―」



「?」



亜由ちゃんの瞳が、
まっすぐある人物を捕らえる。



「雨美、やっぱり教室戻ろ」


「え?どうして……」



「良いから!いくよっ!」



亜由ちゃんに強く腕を引っ張られながら、亜由ちゃんがさっき見ていた視線の先に目をやる。



あぁ……。
そう言うことか。




視線の先には、光がいた。
あたしの、最愛の人。



だけど、その隣にいるのは
あたしの知らない綺麗な女の人。



そっか、見つけたんだね。
よかった……本当に……。


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