雨の恋路
放課後―
みんなが別れの挨拶を交わす中、あたしは未だに席を立たないでいた。
数分後、教室はガラリと静まり返り、窓からはグラウンドで部活をしている人たちの声が微かに聞こえる。
「みんな……頑張ってるなぁ」
野球部は甲子園を目指し、
サッカー部は国立を目指す。
他の部もきっと、何らかの目的を持って一生懸命練習をしてるんだよね。
あたしはこれから何がある?
あたしは何がしたいのかな?
そんなことを考えながらぼんやり外を覗いていると、急にガラッと教室のドアが開いた。
「あっれー?雨美じゃん」
「……圭吾」
入ってきたのは、
バスケ部の圭吾だった。