雨の恋路
-KEIGO-
数歩先を歩く雨美に、
何も声を掛けれない俺。
分かってんだ。
俺が部室に戻ってる間に
何かあったってことぐらい。
でも、聞けない。
「聞かないで」
って雨美の背中が言ってるから。
だけど、想像はつく。
城田先輩絡み……だと思う。
何で雨美が傷つく必要がある?
どうして自分を守ろうとしない?
1番傷ついてるのは雨美だろう?
さっきの雨美の態度で……
大体は想像がつく。
それが理由で雨美は城田先輩に別れを告げたんだと思う。
だけど、それは可笑しいだろう。
城田先輩も何で気付かない!?
1番近くにいたはずなのに……。
俺は……
傍にいたくても無理だった。
でも、今なら雨美の傍にいれる。
雨美の支えにだって……なってやる。
「なぁ!雨美」
俺は……
ずっと雨美が好きだったんだ。