雨の恋路

「雨美!大丈夫なの?」


「うん、大丈夫。心配かけてごめんね?」


あたしの言葉に、
ホッと息を吐く亜由ちゃん。


「本当だよ、もうー。雨美が倒れたって聞いて心臓止まるかと思っちゃった」


そう言って冗談まじりで言う亜由ちゃんに、自然に笑顔が零れる。



「次、移動だよ。早く行こう♪」


「うんっ」



多分、亜由ちゃんは知ってる。

保健室まで運んでくれたのが、光だってこと。




ごめんね、
亜由ちゃん。

何も言えなくて……


ありがと、
亜由ちゃん。

何も聞かないでいてくれて……



「早く、雨美!」


「うんっ…」



光、まだ……
想ってても良い?

まだ、望んでも良い?


あたしもう、
絶対に逃げないから。


光に拒絶されたって、
本当のこと話すまで逃げない。



だから、今度こそ…―



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