雨の恋路

放課後、亜由ちゃんはいつもの様に洋平先輩と帰って、他の生徒も掃除が終わり帰って行く。



その中、教室の片隅で、
圭吾が来るのを待っていた。



とうとう、
放課後になった。


 
あたし何て言えば言いの?





ガラッ―




ふいに教室のドアの開く音。
その音に反射的に振り返った。




え……?




時間が一瞬止まったかと思った。
あたしの都合の良い、夢だと思った。






「……な、な…んで」






振り返った先にいたのは、光だったから。ずっと、ずっと待ち望んでたいた光がいたから。






光るとあたしの視線が絡み合う。


先に逸らしたのは……
やっぱり光だった。



だけどあたしは光から視線を
逸らすことなく、見つめ続ける。


どうして光がここに?
……まさか……圭吾?



「悪い。間違えたみたいだ」

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