雨の恋路
「光、彼女出来たんだね」
あれ…?
……違う、違うよ。
こんなことが言いたいんじゃない。
「幸せそうで、安心した……」
どうして…!?
思ってることと、
違う言葉が出る。
もっと言いたいことがあるの!
なのに、どうしてこんなっ…-
「あの時は…「黙れ!」
ビクッ!
後ろを向いていた光が、
ゆっくりとこっちを振り返る。
「さっきから何なんだよ!用がないならさっさと……」
光の言葉が途中で止み、
何故か大きく目を見開く。
「……お前何で泣いて…」
「…ぇ?」
光の言葉に反応して、
反射手に頬に手をやる。
頬は確かに涙で濡れていた。
「あたし……」
あたし、知らない内に
泣いちゃってたんだ……。