雨の恋路
光がゆっくりとあたしの方に足を進める。
少しずつ縮まる光との距離。
早くなっていくあたしの心臓。
そしてあたしの目の前で
足を止めた。
光があたしを見つめ、
あたしも光を見つめ返す。
光の手がそっと、
あたしの頬に触れた。
そして、優しく涙を拭う。
その優しい手に、
懐かしいぬくもりに、
あたしの中の壁が崩れた。
「……んなさい……」
「え…?」
「ごめんなさい…っ」
「何、言って…」
「ごめんね、光っ…!」
そう言って立っていられなくなったあたしは、そのままその場にしゃがみこんだ。
「全部…嘘なのっ!」
涙が…止まらない。
胸が…苦しい……