雨の恋路
-HIKARU-
黙って俺になすがままに着いて来る雨美。俺も何も言わずにただ引っ張って歩くだけ。
行き先は……俺の家。
今なら誰もいない。
誰にも、邪魔させない。
もう絶対、雨美を離さない。
絶対に……
繋がっている手に
ぎゅっと力を込めた。
そして思い出すは
さっきの出来事。
美穂は俺に本気なんかじゃないと思ってた。そう、思いたかった。
雨美の代わりなんて、
誰でも良かったから。
でも美穂は本気だった。
本気で俺を好きでいてくれていた。
もう謝ることしか出来ないけど、
美穂にはちゃんと明日言おう。
それが、俺の出来る精一杯のことだから…-