雨の恋路
バタン―
……着いちゃった。
あれから何も話すことなく光の家に着き、そのまま部屋へと連れられた。
「座って」
「…うん」
見慣れた光の部屋。
何も変わってない。
光の部屋に来るといつも座ってたその場所の横には、光があたしのために買ってくれたクッションが置いてある。
まだ、置いててくれたんだ…
表情には出さなかったけど、
本当は凄く嬉しくて……。
そっと、その場所に座った。
光はというと、
ドアの前に立ったまま。
そんな光に、
心の中で声を掛ける。
『大丈夫だよ。
もう、逃げないから』
組んだ手に、
ぎゅっと力を込めた。
「あたしね、光……」
ゆっくりと顔を上げ、
光を見つめる。
絡まる視線に、
もう恐れはない。
「レイプされたの」