雨の恋路
「綺麗だね」
「そうだな」
二人で虹を見上げ、
ぎゅっと手を握る。
「あの時、光に出逢えて良かった」
「俺も、雨美に逢えて良かった」
手を離し、見つめ合う。
ほんのり頬が染まっていくのを感じた。
そっと頬に光の手が添えられる。
「愛してる。これ先もずっと…雨美だけを」
「うん。あたしも光だけを愛してる。絶対光の傍を離れない」
目尻に溢れ出た涙が、頬を伝う。
その涙を光が親指で弾き飛ばす。
「卒業したら、結婚しよう」
「…え?」
思いもよらぬ言葉に、声が詰まる。
「ちゃんと働く。俺は、俺の手で雨美を守って行きたいんだ」
揺るがない瞳から真剣な意志が伝わる。
あたしも、光の傍にずっといたい…-!
「雨美……返事は?」
優しい目で返事を促す。
そんなの…決まってる。
「……はい!」
そう笑顔で答えると、
ほっとしたようにニコッと笑った。