雨の恋路


「な、な~んてね。冗談よ、じょーだ……キャッ!」


ドサッ


えっ?
押し……倒されてる?



「その……まさかだったら?」



瞳が……笑ってない。
嘘……嘘でしょ!?



なだ乾ききってない男の髪の毛から滴り落ちる雨の滴が、一定のスピードであたしの頬に落ちる。



「緊張、してんの?」


男の唇が妖艶に弧を描き、
クイッと顎をもたれる。




あっ嘘……
キスされる…っ―!


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