雨の恋路
「着いた~」
「光んち、あの日以来だね」
「だな。あの時は……いろいろごめんな?」
「全然!」あたしはそう言って光の手を握り笑った。そして光も、あたしの笑顔に返すように笑った。
「お邪魔しま~す……」
「ど~ぞ」
「家の人いないの?」
「いないよ、仕事とか」
光の家族構成ってどんなんなんだろう?
あたしは気になって光に聞こうとしが、聞けなかった。
誰もいないと言ったはずなのに、リビングの扉が開いたからだ。