雨の恋路


「着いた~」




「光んち、あの日以来だね」






「だな。あの時は……いろいろごめんな?」






「全然!」あたしはそう言って光の手を握り笑った。そして光も、あたしの笑顔に返すように笑った。












「お邪魔しま~す……」








「ど~ぞ」








「家の人いないの?」





「いないよ、仕事とか」






光の家族構成ってどんなんなんだろう?

あたしは気になって光に聞こうとしが、聞けなかった。



誰もいないと言ったはずなのに、リビングの扉が開いたからだ。
< 90 / 278 >

この作品をシェア

pagetop