ロストマーブルズ
プロローグ
 放り出されたビー玉が、突然コロコロと数十個一斉に転がった。
 命を吹き込まれたように、転がり続けていく。

 それからだった。
 桐生ジョーイの記憶が突付かれる。
 遠い昔の埋もれていた過去。

 そこから目覚め出す。
 それは意図されたことだったのだろうか。
 やがてそれは連鎖して、次々と事件を引き起こし、とぎれることなくやってくる。
 「アスカ」というどうしても忘れられない女の子の名前と共に。

 忍び寄るものは謎をばらまき、そこに巻き込もうと罠を仕掛ける。
 自分は一体何者なのか。

 そしてあの時の記憶はなんだったのか。
 それを探る鍵となるのがビー玉だった。

 失われたビー玉。
 桐生ジョーイは転がるビー玉を追いかけてしまった──。
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