ロストマーブルズ
第五章 仕掛けられた罠
1
「キ、キノ!?」
独りよがりに求めて、探せば探すほど会えなかった人物が、自ら声を掛けてきた。
不意打ちをくらい、突然降って沸いたこの状況に、ジョーイが驚くのも無理はなかった。
いつものポーカーフェイスとは程遠く、目の見開いた姿を無防備にさらけ出していることに本人も気がついてないくらいだった。
何かを話さないといけない圧迫を感じるが、口許はワナワナと震えるだけで言葉にならない。
キノもまた緊張し、ややうつむき加減になりながら、人差し指でメガネを押さえつけるしぐさをして戸惑っている。
二人はモジモジとして、中々話せず、喉で声が押し込められたようになっていた。
ようやくキノが、喉を整え声を出した。
「おはよう……」
それに引っ張られるようにジョーイもやっと声が出た。
「ああ、お、おはよ」
キノは上目使いにジョーイを見ながら質問する。
「あの、これ落としませんでしたか?」
キノの手から情報誌が差し出された。
見知らぬ雑誌。
突然声をかけられるだけでも落ちつかないのに、落としたこともないものを突き出されて、面食らって間抜けな表情を向けた。
思わず声が裏返ってしまう。
独りよがりに求めて、探せば探すほど会えなかった人物が、自ら声を掛けてきた。
不意打ちをくらい、突然降って沸いたこの状況に、ジョーイが驚くのも無理はなかった。
いつものポーカーフェイスとは程遠く、目の見開いた姿を無防備にさらけ出していることに本人も気がついてないくらいだった。
何かを話さないといけない圧迫を感じるが、口許はワナワナと震えるだけで言葉にならない。
キノもまた緊張し、ややうつむき加減になりながら、人差し指でメガネを押さえつけるしぐさをして戸惑っている。
二人はモジモジとして、中々話せず、喉で声が押し込められたようになっていた。
ようやくキノが、喉を整え声を出した。
「おはよう……」
それに引っ張られるようにジョーイもやっと声が出た。
「ああ、お、おはよ」
キノは上目使いにジョーイを見ながら質問する。
「あの、これ落としませんでしたか?」
キノの手から情報誌が差し出された。
見知らぬ雑誌。
突然声をかけられるだけでも落ちつかないのに、落としたこともないものを突き出されて、面食らって間抜けな表情を向けた。
思わず声が裏返ってしまう。