ロストマーブルズ
「もしそうだとしたらどうなんだよ」
「俺が寝てる時に部屋に黙って入ってきて襲うなよ」
「バカ野郎! かれこれ二年も俺の家に住んでいて俺が一度でもそんなことしたことあるのか」
「ハハハハハ、冗談だよ。でも俺ジョーイならちょっと経験のために……」
トニーは親指を噛み、しなを作るようなポーズでジョーイを見つめた。
「気持ち悪い! 冗談でもやめてくれ」
ジョーイはありったけの皺を眉間に寄せて、嫌悪感を露にした。
そして階段を下り終わって正面を見た時、ホームのベンチに腰掛けた同じ学校の女生徒が、何かを手にし、必死な顔でムキになっている様子が目に入った。
階段を下りた場所で立ち止まったまま、ジョーイは何気にその様子を暫く見ていた。
どうやらその女生徒は、ドロップの飴玉でも入っているような四角い赤い缶の蓋を開けようとしているところだった。
蓋の境目に爪を引っ掛けて無理に引っ張っていた時、すぽっと突然蓋が宙を舞い、その勢いで中に入っていたものも一緒に飛び出てしまった。
「あっ」
女の子が声を出した時、すでに中身は飛び散ってあちらこちらに散らばっていた。
「俺が寝てる時に部屋に黙って入ってきて襲うなよ」
「バカ野郎! かれこれ二年も俺の家に住んでいて俺が一度でもそんなことしたことあるのか」
「ハハハハハ、冗談だよ。でも俺ジョーイならちょっと経験のために……」
トニーは親指を噛み、しなを作るようなポーズでジョーイを見つめた。
「気持ち悪い! 冗談でもやめてくれ」
ジョーイはありったけの皺を眉間に寄せて、嫌悪感を露にした。
そして階段を下り終わって正面を見た時、ホームのベンチに腰掛けた同じ学校の女生徒が、何かを手にし、必死な顔でムキになっている様子が目に入った。
階段を下りた場所で立ち止まったまま、ジョーイは何気にその様子を暫く見ていた。
どうやらその女生徒は、ドロップの飴玉でも入っているような四角い赤い缶の蓋を開けようとしているところだった。
蓋の境目に爪を引っ掛けて無理に引っ張っていた時、すぽっと突然蓋が宙を舞い、その勢いで中に入っていたものも一緒に飛び出てしまった。
「あっ」
女の子が声を出した時、すでに中身は飛び散ってあちらこちらに散らばっていた。