ロストマーブルズ
第六章 近づく者、離れる者
1
土曜日の朝、ジョーイは不機嫌なままの態度でトニーと駅に向かっていた。
「おい、いい加減に機嫌直してくれよ、ジョーイ。勝手なことして悪かったよ」
ひたすら謝り続けるトニーだったが、ジョーイの機嫌が悪い原因はトニーの勝手な行動だけではなかった。
複雑に入り組んでジョーイ自身、訳が分からなくなっている。
お蔭でぐっすりと眠れず、さらに頭も痛かった。
「済んだことは仕方がない。もういいから、少し黙っていてくれないか」
明らかにトニーに八つ当たりする、怒り口調だった。
こういう事は初めてではない。
ジョーイの悪い癖だといつもは割り切るトニーだったが、自分ばかりが機嫌を伺うことに辟易してきた。
自分に非がある場合、特に容赦なく噛み付いてくるジョーイの不遜な態度。
普段であっても、機嫌が悪ければ、露骨に蔑ろにしてくるだけに、絶えず上下関係を見せられ、トニーは耐えられなくなってきた。
「あのさ、俺が悪いのは分かってるけど、ジョーイは常に自分主義だよな。少しは立場の弱い者のことも考えてくれ」
「立場が弱いってどういうことだよ。トニーは俺以上になんでも好きなことやってるじゃないか」
「ジョーイが思ってるほど、俺はそんなに自由じゃねぇーよ」
「なんだよ、今度は逆切れかよ」
トニーは口をぎゅっと閉じて黙り込んでしまった。
そしてその後一言も発せずに学校まで来てしまう。
学校に着けば、トニーは知ってる顔を見る度に笑顔になって挨拶をしだした。
まるでジョーイなどもう知らないというばかりに、あからさまに見せ付けるようだった。
ジョーイも意地を張ってしまい、ふんとわざとらしく苛ついている態度を取ってしまう。
そんなときにシアーズに会うから、益々ふてくされてしまった。
「(ジョーイ、今日も居残りしたいのか)」
それはごめんだとばかりにわざとらしく「グッドモーニング」と日本語の発音でバカ丁寧に答えていた。
シアーズは頭を左右に振り呆れていた。
「おい、いい加減に機嫌直してくれよ、ジョーイ。勝手なことして悪かったよ」
ひたすら謝り続けるトニーだったが、ジョーイの機嫌が悪い原因はトニーの勝手な行動だけではなかった。
複雑に入り組んでジョーイ自身、訳が分からなくなっている。
お蔭でぐっすりと眠れず、さらに頭も痛かった。
「済んだことは仕方がない。もういいから、少し黙っていてくれないか」
明らかにトニーに八つ当たりする、怒り口調だった。
こういう事は初めてではない。
ジョーイの悪い癖だといつもは割り切るトニーだったが、自分ばかりが機嫌を伺うことに辟易してきた。
自分に非がある場合、特に容赦なく噛み付いてくるジョーイの不遜な態度。
普段であっても、機嫌が悪ければ、露骨に蔑ろにしてくるだけに、絶えず上下関係を見せられ、トニーは耐えられなくなってきた。
「あのさ、俺が悪いのは分かってるけど、ジョーイは常に自分主義だよな。少しは立場の弱い者のことも考えてくれ」
「立場が弱いってどういうことだよ。トニーは俺以上になんでも好きなことやってるじゃないか」
「ジョーイが思ってるほど、俺はそんなに自由じゃねぇーよ」
「なんだよ、今度は逆切れかよ」
トニーは口をぎゅっと閉じて黙り込んでしまった。
そしてその後一言も発せずに学校まで来てしまう。
学校に着けば、トニーは知ってる顔を見る度に笑顔になって挨拶をしだした。
まるでジョーイなどもう知らないというばかりに、あからさまに見せ付けるようだった。
ジョーイも意地を張ってしまい、ふんとわざとらしく苛ついている態度を取ってしまう。
そんなときにシアーズに会うから、益々ふてくされてしまった。
「(ジョーイ、今日も居残りしたいのか)」
それはごめんだとばかりにわざとらしく「グッドモーニング」と日本語の発音でバカ丁寧に答えていた。
シアーズは頭を左右に振り呆れていた。