ロストマーブルズ
4
「ジョーイは今の自分に満足してる?」
心の準備もなく、自分のコンプレックスを突かれた質問に、ジョーイの喉から反射した声が漏れた。
自分の心の奥を覗かれたように面映く、どう答えていいのかわからない。「はい」か「いいえ」を言う簡単な問いだというのに。
「ごめん、変なこと聞いて」
「いや、いいんだ。もしかして詩織に言われたことまだ気にしてるのか?」
「少しね」
「そうだよな、俺達血が混ざり合ってるから特別な目で見られるもんな。キノもなんかそれで嫌なことでもあるんだろ」
キノは返事しなかった。線路を挟んだ向かい側の駅のホームをただぼんやりと見ている。
やがてホームに入ってくる電車を知らせるメロディが流れてきた。
それに合わせて周りの乗客も乗り場に集中し、急にせわしなくなるというのに、キノは取り残されたように、虚空を見ていた。
電車が入ってきても、気がついてないように、いや、まるで自分がここに存在してないかのように突っ立っている。
ジョーイもその気持ちが分かるようだった。
心の準備もなく、自分のコンプレックスを突かれた質問に、ジョーイの喉から反射した声が漏れた。
自分の心の奥を覗かれたように面映く、どう答えていいのかわからない。「はい」か「いいえ」を言う簡単な問いだというのに。
「ごめん、変なこと聞いて」
「いや、いいんだ。もしかして詩織に言われたことまだ気にしてるのか?」
「少しね」
「そうだよな、俺達血が混ざり合ってるから特別な目で見られるもんな。キノもなんかそれで嫌なことでもあるんだろ」
キノは返事しなかった。線路を挟んだ向かい側の駅のホームをただぼんやりと見ている。
やがてホームに入ってくる電車を知らせるメロディが流れてきた。
それに合わせて周りの乗客も乗り場に集中し、急にせわしなくなるというのに、キノは取り残されたように、虚空を見ていた。
電車が入ってきても、気がついてないように、いや、まるで自分がここに存在してないかのように突っ立っている。
ジョーイもその気持ちが分かるようだった。