ロストマーブルズ
「ジョーイ、お腹空いてない?」
バッグから布に包まれた何かを取り出し、そして結び目を解くと二段の重箱のようなものが顔をだした。
「お、お弁当?」
ジョーイは目を白黒させてこのシチュエーションに驚いている。
「うん。野球鑑賞しながら何か食べ物があったらいいかなとか思って作ってきた。ツクモ、少し後ろに下がって、ゴーバック」
真ん中に座っていたツクモは命令どおりに動き、二人の後ろで賢く座る。
ジョーイの目の前に置いたお弁当の蓋を開けると、中から色とりどりのおかずと海苔やゴマをつけたおにぎりが出てきた。
「す、すごいや」
感嘆するジョーイの声にキノも素直に嬉しそうにしていた。
お箸を渡され、ジョーイは戸惑うまま一口食べると、自分がいかにお腹が空いていたか思い出した。
「美味しい?」
心配してキノが覗き込む。
「うん、美味いよ。ありがとう」
ジョーイの言葉に安心するとキノも一緒に食べだした。
二人して仲良くお弁当を食べている後ろで、ツクモが黙って見守っていた。
言葉なく、ジョーイはもぐもぐとキノが用意してくれたお弁当を口にしていたが、なぜこんなシチュエーションになっているのだろうと、考えれば考えるほど不思議に思えてきた。
それよりも何より、これってデート?
そういう思いが一番強かったように思えた。
また自分らしからぬ感情が芽生えてくる。
なぜかそれが心地よく、ほのぼのと楽しい気分にさせてくれた。
バッグから布に包まれた何かを取り出し、そして結び目を解くと二段の重箱のようなものが顔をだした。
「お、お弁当?」
ジョーイは目を白黒させてこのシチュエーションに驚いている。
「うん。野球鑑賞しながら何か食べ物があったらいいかなとか思って作ってきた。ツクモ、少し後ろに下がって、ゴーバック」
真ん中に座っていたツクモは命令どおりに動き、二人の後ろで賢く座る。
ジョーイの目の前に置いたお弁当の蓋を開けると、中から色とりどりのおかずと海苔やゴマをつけたおにぎりが出てきた。
「す、すごいや」
感嘆するジョーイの声にキノも素直に嬉しそうにしていた。
お箸を渡され、ジョーイは戸惑うまま一口食べると、自分がいかにお腹が空いていたか思い出した。
「美味しい?」
心配してキノが覗き込む。
「うん、美味いよ。ありがとう」
ジョーイの言葉に安心するとキノも一緒に食べだした。
二人して仲良くお弁当を食べている後ろで、ツクモが黙って見守っていた。
言葉なく、ジョーイはもぐもぐとキノが用意してくれたお弁当を口にしていたが、なぜこんなシチュエーションになっているのだろうと、考えれば考えるほど不思議に思えてきた。
それよりも何より、これってデート?
そういう思いが一番強かったように思えた。
また自分らしからぬ感情が芽生えてくる。
なぜかそれが心地よく、ほのぼのと楽しい気分にさせてくれた。