ロストマーブルズ
3
キノと別れ、家に戻ってきたジョーイは、玄関ドアの前で少し戸惑っていた。
前夜は仲直りできずに、トニーはそのまま寝てしまい、朝も結局は顔を合わさずに家を出てきた。
このときトニーと顔を合わせたらどんな顔をしていいのか、何を話していいのかわからない。
ぎこちない態度を取るのも嫌で、家に入るのを躊躇している。
一番良い対策は何かと考えたら、自分が謝ることが最良の策だった。
そんな策を思いつくのも、ジョーイの機嫌がよかったからかもしれない。
しかし、確実に心はほぐされていた。
普段のジョーイならとことん意地を張り続け、仏頂面まっしぐらだっただろう。
これもキノと過ごした影響だった。
ジョーイは覚悟を決めて、鍵を突っ込み、勢い良く回す。
ドアノブに手をかけ、ゆっくり回した後は、息を止めてぐっと引っ張った。
「ただいま」
二階にも届く声で叫んでみたが、家の中は静まり返っている。
自分の声だけが虚しく響いた。
足元を見れば、トニーのスニーカーがない。
「なんだ、あいつ出かけているのか」
前夜は仲直りできずに、トニーはそのまま寝てしまい、朝も結局は顔を合わさずに家を出てきた。
このときトニーと顔を合わせたらどんな顔をしていいのか、何を話していいのかわからない。
ぎこちない態度を取るのも嫌で、家に入るのを躊躇している。
一番良い対策は何かと考えたら、自分が謝ることが最良の策だった。
そんな策を思いつくのも、ジョーイの機嫌がよかったからかもしれない。
しかし、確実に心はほぐされていた。
普段のジョーイならとことん意地を張り続け、仏頂面まっしぐらだっただろう。
これもキノと過ごした影響だった。
ジョーイは覚悟を決めて、鍵を突っ込み、勢い良く回す。
ドアノブに手をかけ、ゆっくり回した後は、息を止めてぐっと引っ張った。
「ただいま」
二階にも届く声で叫んでみたが、家の中は静まり返っている。
自分の声だけが虚しく響いた。
足元を見れば、トニーのスニーカーがない。
「なんだ、あいつ出かけているのか」