ロストマーブルズ
肩に掛けていた鞄から紐がついた何かを取り出し、耳の辺りに触れる仕草をしている。
音楽を聴き始めたようだ。
何を聴いているのだろうか、とジョーイは他愛無い疑問を抱く。
そうやって暫く観察してると、覗き見しているような気分になっていった。
「キノか……」
小さく呟いた時、何事にも無関心だったはずだったのにと、ジョーイ自身はっとさせられた。
そして電車が大幅に揺れたとき、ビー玉が一つ不自然にコロコロと車内を転がっているのが目に入る。
「あいつまた落していったのか」
そのビー玉はジョーイの元へと、まるで引き寄せられるように転がり、拾わずにはいられない。
だが手にした時、それをキノのところにまでもって行くか迷っていた。
音楽を聴き始めたようだ。
何を聴いているのだろうか、とジョーイは他愛無い疑問を抱く。
そうやって暫く観察してると、覗き見しているような気分になっていった。
「キノか……」
小さく呟いた時、何事にも無関心だったはずだったのにと、ジョーイ自身はっとさせられた。
そして電車が大幅に揺れたとき、ビー玉が一つ不自然にコロコロと車内を転がっているのが目に入る。
「あいつまた落していったのか」
そのビー玉はジョーイの元へと、まるで引き寄せられるように転がり、拾わずにはいられない。
だが手にした時、それをキノのところにまでもって行くか迷っていた。