ロストマーブルズ
3
「どうした、ジョーイ? はん? またビー玉か。あの子、よく落すな。見かけもぱっとしなかったけど、なんかどっか抜けてそうだよな」
トニーは身を乗り出して、前の車両を連結部分の扉から覗き込み、キノの様子を探ろうとする。
一緒になってジョーイもまたキノの様子を覗き込むと、突然ビー玉を握る手に力が入った。
その勢いで、決心したかのように隣の車両に足が向いた。
だがそれとほぼ同時に、向かいのシートに座っていた大学生らしい男が、本をパタンと閉じて立ち上がった。
突然のその男の行動に気を取られ、ジョーイとトニーは無意識に男に視線がいった。
男は澄ました顔で腕時計にちらりと目を移し、前の車両へと歩き出した。
その男の姿は眼鏡をかけ背が高く、ぱりっとアイロンをあてたシャツを着ていた。
真面目な大学生という風に見えた。
背筋を伸ばして歩く姿は、威厳が感じられるほど存在感があった。
ジョーイは先を越された感を抱き、その男の後を続いて前の車両にいけなくなってしまった。
男はドアをスライドさせ、連結部分を抜けていく。
そしてそのまま、ただ真っ直ぐと歩く。
キノとすれ違う時、一瞬キノに一瞥を投げたような仕草をとったが、ひたすら前へと歩いていった。
トニーは身を乗り出して、前の車両を連結部分の扉から覗き込み、キノの様子を探ろうとする。
一緒になってジョーイもまたキノの様子を覗き込むと、突然ビー玉を握る手に力が入った。
その勢いで、決心したかのように隣の車両に足が向いた。
だがそれとほぼ同時に、向かいのシートに座っていた大学生らしい男が、本をパタンと閉じて立ち上がった。
突然のその男の行動に気を取られ、ジョーイとトニーは無意識に男に視線がいった。
男は澄ました顔で腕時計にちらりと目を移し、前の車両へと歩き出した。
その男の姿は眼鏡をかけ背が高く、ぱりっとアイロンをあてたシャツを着ていた。
真面目な大学生という風に見えた。
背筋を伸ばして歩く姿は、威厳が感じられるほど存在感があった。
ジョーイは先を越された感を抱き、その男の後を続いて前の車両にいけなくなってしまった。
男はドアをスライドさせ、連結部分を抜けていく。
そしてそのまま、ただ真っ直ぐと歩く。
キノとすれ違う時、一瞬キノに一瞥を投げたような仕草をとったが、ひたすら前へと歩いていった。