ロストマーブルズ
朝はライバル心むき出しに自分の両腕を引っ張り合っていたというのに、キノはリルをここへ連れて来ている。
意外な行動にジョーイは目を見開いていた。
「おっ、新しい女の子か。いらっしゃい。ウエルカム」
トニーは溶け込みやすいように声を掛けたが、普段から仏頂面のリルは緊張して余計に顔が強張り、堅く口を閉ざしていた。
目だけはぎょろりとして、女の子に囲まれているジョーイを見ていた。
「この子はリル。無理やり私が連れてきたの。一日英会話体験っていうことでいいかな」
クラスに居たものはすぐに受け入れ、軽く頷いていた。
リルは居心地悪く、俯き気味だったが、ジョーイが居たので逃げ出さずなんとか踏ん張っている様子だった。
「それじゃ、今日のクラブ活動を始めます」
そのクラブの部長が声を上げる。
トニー、ジョーイ、キノを前に立たせて、それぞれのグループを作った。
一グループ三、四人集まり、準備されていたプリントに沿って会話を始めていく。
ジョーイはとにかくプリントに書かれてある会話を読んでは、発音を正したり、英語で質問したりとトニーを見よう見真似で、ぎこちなくやっていた。
リルはキノのグループの中で大人しく座っているだけだったが、気持ちは落ち着かないのか、手持ち無沙汰で花柄のハンカチを手に持って握り締めていた。
時折ジョーイをチラチラ見ている。
笑い声も絶えず、クラブ活動はなんとか様になっていた。
その途中から白鷺眞子が教室に入って来た。
意外な行動にジョーイは目を見開いていた。
「おっ、新しい女の子か。いらっしゃい。ウエルカム」
トニーは溶け込みやすいように声を掛けたが、普段から仏頂面のリルは緊張して余計に顔が強張り、堅く口を閉ざしていた。
目だけはぎょろりとして、女の子に囲まれているジョーイを見ていた。
「この子はリル。無理やり私が連れてきたの。一日英会話体験っていうことでいいかな」
クラスに居たものはすぐに受け入れ、軽く頷いていた。
リルは居心地悪く、俯き気味だったが、ジョーイが居たので逃げ出さずなんとか踏ん張っている様子だった。
「それじゃ、今日のクラブ活動を始めます」
そのクラブの部長が声を上げる。
トニー、ジョーイ、キノを前に立たせて、それぞれのグループを作った。
一グループ三、四人集まり、準備されていたプリントに沿って会話を始めていく。
ジョーイはとにかくプリントに書かれてある会話を読んでは、発音を正したり、英語で質問したりとトニーを見よう見真似で、ぎこちなくやっていた。
リルはキノのグループの中で大人しく座っているだけだったが、気持ちは落ち着かないのか、手持ち無沙汰で花柄のハンカチを手に持って握り締めていた。
時折ジョーイをチラチラ見ている。
笑い声も絶えず、クラブ活動はなんとか様になっていた。
その途中から白鷺眞子が教室に入って来た。