ロストマーブルズ
「ジョーイ、ごめんなさい。ショックでこんな風になってしまったけど、私受け入れるわ。仕方ないもんね」
「詩織……」
「でも、相手がキノちゃんでよかった。辛いけど、なんだか応援できそう」
「あの、詩織さん、ちょっと待って」
「いいのよ、キノちゃん、気を遣わなくても。でも本当はもうちょっとジョーイを追いかけたかった。これでファンクラブも解散だわ」
「おい、何話してるんだよ」
「ファンクラブを創設したのはこの私なの。皆とジョーイのことでわいわいするのも楽しかった」
「勝手に俺の知らないところで、俺のこと話題にするなよ」
「いいじゃないそれくらい。あーあ、でも、泣いてすっきりした。すごく残念だけど、でもジョーイがキノちゃんを好きなら仕方がないもんね。じゃあ、私これで帰るね」
詩織は目を赤くしたまま、一生懸命笑顔を作ってジョーイとキノに手を振って去っていった。
無理をしているのは明らかだったが、こういうときも詩織らしく、その潔さはかっこよかった。
「あいつ、男前だな」
ジョーイはすっかり脱帽していた。
背筋を伸ばし、凜とした詩織の後姿を、二人はほれぼれしながら見ていた。
詩織の問題は無事に解決し、ほっとしたのも束の間、二人は顔を合わせて、気まずくなっていた。
「遅くなっちまったな。帰ろうか」
「うん」
ぎこちなく二人は会話をして、駅のホームに向かう。
「詩織……」
「でも、相手がキノちゃんでよかった。辛いけど、なんだか応援できそう」
「あの、詩織さん、ちょっと待って」
「いいのよ、キノちゃん、気を遣わなくても。でも本当はもうちょっとジョーイを追いかけたかった。これでファンクラブも解散だわ」
「おい、何話してるんだよ」
「ファンクラブを創設したのはこの私なの。皆とジョーイのことでわいわいするのも楽しかった」
「勝手に俺の知らないところで、俺のこと話題にするなよ」
「いいじゃないそれくらい。あーあ、でも、泣いてすっきりした。すごく残念だけど、でもジョーイがキノちゃんを好きなら仕方がないもんね。じゃあ、私これで帰るね」
詩織は目を赤くしたまま、一生懸命笑顔を作ってジョーイとキノに手を振って去っていった。
無理をしているのは明らかだったが、こういうときも詩織らしく、その潔さはかっこよかった。
「あいつ、男前だな」
ジョーイはすっかり脱帽していた。
背筋を伸ばし、凜とした詩織の後姿を、二人はほれぼれしながら見ていた。
詩織の問題は無事に解決し、ほっとしたのも束の間、二人は顔を合わせて、気まずくなっていた。
「遅くなっちまったな。帰ろうか」
「うん」
ぎこちなく二人は会話をして、駅のホームに向かう。