ロストマーブルズ
2
電車はホームに到着し、乗客が乗り降りする中、それでも二人は動かずにいた。
キノは麻痺して電池のない玩具のように動かない。
ジョーイはキノの言葉を辛抱強くずっと待っている。
このままでは電車に乗り遅れると判断したジョーイは、キノの手をギュッと握り締め、引っ張って乗り込んだ。
だがその手を電車のドアが閉まっても、動いても、ジョーイはずっと離さなかった。
キノも時が止まったように動かず、抵抗もしなかった。
二人はいつもそうしているように、ドアの前に立つ。
外がすっかり暗くなった窓は、車内の明るさで反射し鏡となって二人を映し出していた。
静かな場所を見つけるまで、二人は結果を保留にした状態で電車に揺られていた。
暫しの間、これが青春の貴重な一ページだと自覚するほど二人は胸を一緒にドキドキさせていた。
駅に着いて多数の乗客に紛れて降りたが、皆一斉に同じ方向を目指して歩いていく中、ジョーイとキノは動かず手を繋いだまま薄暗いホームに残っていた。
ホームから人が去ってしまい、周りには誰一人いなくなった時、やっとキノが口を開いた。
「ジョーイ」
搾り出したか弱い声。
ジョーイは息を飲んだ。
キノは麻痺して電池のない玩具のように動かない。
ジョーイはキノの言葉を辛抱強くずっと待っている。
このままでは電車に乗り遅れると判断したジョーイは、キノの手をギュッと握り締め、引っ張って乗り込んだ。
だがその手を電車のドアが閉まっても、動いても、ジョーイはずっと離さなかった。
キノも時が止まったように動かず、抵抗もしなかった。
二人はいつもそうしているように、ドアの前に立つ。
外がすっかり暗くなった窓は、車内の明るさで反射し鏡となって二人を映し出していた。
静かな場所を見つけるまで、二人は結果を保留にした状態で電車に揺られていた。
暫しの間、これが青春の貴重な一ページだと自覚するほど二人は胸を一緒にドキドキさせていた。
駅に着いて多数の乗客に紛れて降りたが、皆一斉に同じ方向を目指して歩いていく中、ジョーイとキノは動かず手を繋いだまま薄暗いホームに残っていた。
ホームから人が去ってしまい、周りには誰一人いなくなった時、やっとキノが口を開いた。
「ジョーイ」
搾り出したか弱い声。
ジョーイは息を飲んだ。