ロストマーブルズ
「(さあ、私は詳しいことまでは知らない。だが、この世の中、皆が知らない研究がされて、そしてそれがとてつもない大きなプロジェクトとなることがある。例えばだ、超能力を研究していたとして、それが使えるようになったとしたらどうなると思う?)」

「(スーパーヒーローになるか悪人になるかのどっちかだろう)」

「(ジョーイらしい面白い答えだ。そうだ、誰よりも優れた才能を発揮して力を持つことで最強となることだろう。ロバートはそういう人間を生み出すように命じられたんだ)」

「(一体誰に?)」

「(国家だ)」

「(それって、国を挙げてそういう人間を作ろうとしていたってことなのか)」

「(国家機密でそういう人間を生み出し、更に英才教育をさせ、超天才エリート集団を作りあげる。そして国のためにいろんな方面で活躍してもらうんだ。小説の世界の話だけじゃない。技術はどんどん進んでいる。倫理に反してクローン人間もそうやって知らずとすでに作られているのかもしれない)」

「(そんな、それじゃ人間を材料として実験してるだけじゃないか。失敗することだってあるだろう)」

「(そうだ、失敗だってもちろんあるだろう。人間として機能してない場合とかな)」

「(その時はどうするんだよ。失敗したからといって殺して捨てるのか。人間だぜ)」
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