ロストマーブルズ
「(まだ知りたい事がある。FBIのギーがモルモットと呼んだキノや彼女の兄と名乗るノアは、遺伝子操作された人間なのか)」

「(さあ、それは私にはなんとも言えない)」

「(ここまで俺の父親がやっていることを喋っておいて、なぜそれは答えられないんだ)」

「(なぜなら、遺伝子操作されなくてもすでに天才と呼ばれる人間が自然に生まれることがあるからだ。そういう人間も選ばれて一緒にこのプロジェクトの英才教育を受けさせられる。その施設に入れば、誰が遺伝子操作されたかそうでないか、ごく一部の関係者以外わからなくなるんだ。そして私はこれに関与していても詳しいことは知らない人間であることもわかって欲しい。だが一つだけはっきり言えるのは、ジョーイ、お前は歴としたロバートとサクラの遺伝子だけを受け継ぐ子供だ)」

「(俺は遺伝子操作されてないと?)」

「(そうだ。お前は本当に天才と呼ばれる人間なんだ。それもそのはず、ロバートとサクラも優秀だからな。そんな子供が生まれてもおかしくない)」

 ジョーイはもう何も言えず首をうな垂れた。

 その時、ドアをノックする音が響いた。

 シアーズが許可を出し、ドアが開くと、そこには白鷺眞子が立っていた。
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