ロストマーブルズ

「(シアーズ先生、こんなところにいらっしゃったんですね。手はずは全て整いました)」
「(ご苦労だった。白鷺先生。ありがとう)」

 信用置けない人物が、シアーズと目の前で泰然と話している。
 敵かもしれないというのに。

「(白鷺先生はFBIの手先だ。昼休みにギーと話していたのを俺は見た)」
 突然の言いがかりに眞子は息を洩らして呆れ返った。
 
「ジョーイもまだまだ子供なのね。もう少し鋭いかと思ったんだけどな。探偵になるにはまだまだ修行が必要みたいね」

「何が探偵だ、からかうな」

「からかってないわよ。読みが甘かった事でちょっとがっかりしただけ。私は、日本でのキノの保護者だったのよ。もちろん事情を知っている唯一の人物でもあります」

「えっ?」
 ジョーイは調子狂っていた。

「ソウダ、マコはワタシのアシスタントだ」
 シアーズが始めて日本語を話した。
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