ロストマーブルズ
「キノからの手紙か。でもなんだこの最後の数字は? 5 + 5 11 037?」

「そうなんだ。俺もそれが分からない。全体が英語なのに、ツクモもカタカナで書かれているのも不自然だろ」

「んー、これは何かの暗号なのか? 何かをジョーイに知らせたいんじゃないだろうか。他に何かヒントはないのか」

「そういえば、黒ぶち眼鏡もツクモが持ってきた」

 それも取り出してトニーに見せた。

「あっ、もしかしてこの眼鏡を掛けて手紙を読んだら、文字が浮かびあがってくるとかじゃないのか」

 ジョーイははっとして、その眼鏡を掛けて手紙を見てみた。だが全く変わりはなかった。

「何も変化はないぜ。だけどこの眼鏡、やっぱり伊達だったんだな。なんでこんな眼鏡選んだんだろう。他にももっと女の子らしいものもあっただろうに」

 ジョーイは眼鏡を掛けたまま、トニーの顔を見て答えを求めた。

「俺に聞かれても…… ジョーイが分からないのに、俺が分かるわけないじゃないか。だけどその眼鏡掛けてると、なんかフクロウみたいだな。キノの時もそう思ったんだけど、女の子だったから言わなかった」

「えっ、フクロウ?」

 ジョーイもこの眼鏡を掛けているキノを見た時、動物を連想していた。

 フクロウと聞いて、それがピタッとイメージと重なった。

 だが、フクロウという言葉がまた出てきたことにひっかかる。

 シアーズからもフクロウのコインを手渡されたばかりだった。
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