ロストマーブルズ
車内放送から停車する駅が伝えられ、この列車は急行だと告げている。
学校は新学期が始まったばかりでもあるが、同じ電車を利用すると言うことは何度かキノと乗り合わせていた可能性がある。
ただジョーイが意識したことがなく気がつかなかっただけだが、この時はキノがどこで降りるのかジョーイは非常に興味を持った。
キノを観察するあまり、知らぬと座席から身を乗り出すように体を前屈みにしていると、隣に座っていた初老の男性がジョーイを見つめていた。
ただでさえ顔が目立つ風貌なので、目が合ってもすぐには逸らさず厚かましくじろじろ見続ける。
ジョーイは不快極まりなく席を立ちそうになったが、足に力を入れてぐっと堪えて、何もなかったように背もたれに背中を押し付けた。
じいさん、見世物じゃねぇんだよ、と悪態をつくようにそっぽ向けることで大いに相手に伝えようとしたが、全く応えてないようだった。
ホームで発車を知らせるベルが響き渡ると、ドアが閉まり電車はゆっくりと動き出す。
ジョーイはキノの様子を伺おうと体を前屈みにするが、また隣のじいさんも反応しだすので、それが鬱陶しくて思うように体を動かすことができなくなった。
次の停車駅まで10分くらいあるだろうか。
その間はキノもあの場所から動くことはないだろうと、ジョーイは暫く大人しくしていた。
学校は新学期が始まったばかりでもあるが、同じ電車を利用すると言うことは何度かキノと乗り合わせていた可能性がある。
ただジョーイが意識したことがなく気がつかなかっただけだが、この時はキノがどこで降りるのかジョーイは非常に興味を持った。
キノを観察するあまり、知らぬと座席から身を乗り出すように体を前屈みにしていると、隣に座っていた初老の男性がジョーイを見つめていた。
ただでさえ顔が目立つ風貌なので、目が合ってもすぐには逸らさず厚かましくじろじろ見続ける。
ジョーイは不快極まりなく席を立ちそうになったが、足に力を入れてぐっと堪えて、何もなかったように背もたれに背中を押し付けた。
じいさん、見世物じゃねぇんだよ、と悪態をつくようにそっぽ向けることで大いに相手に伝えようとしたが、全く応えてないようだった。
ホームで発車を知らせるベルが響き渡ると、ドアが閉まり電車はゆっくりと動き出す。
ジョーイはキノの様子を伺おうと体を前屈みにするが、また隣のじいさんも反応しだすので、それが鬱陶しくて思うように体を動かすことができなくなった。
次の停車駅まで10分くらいあるだろうか。
その間はキノもあの場所から動くことはないだろうと、ジョーイは暫く大人しくしていた。