ロストマーブルズ
「アイツ、先に行ったんだろうか。見かけないな」
電車がホームに入り込むのを見ながら、トニーが残念そうに呟いた。
「またそのうち会うだろう」
ジョーイは本心を気づかれずに素っ気無く返事を返したつもりだったが、階段を走って降りてくるのではと、頭を掻くふりをして首を動かし、階段方面をちらりと見つめた。
電車の扉が開き、降りる客は少なく、乗車する客がどっと乗り込み、車内はすし詰めとなる。
電車が動き、つり革を持ち暫く揺られていると、また違和感を覚え、斜め横から視線を浴びている気分になった。
そっと首を動かして気になる方向を見ようとすると、視界に入った全員の視線が一斉に返ってきた。
目が合ってジロジロ見られて耐えられなくなり、また前を向いた。
結局は物珍しさのあまりに、誰かがジョーイを無意識に見ていたということなのだろう。
監視されているなどと時々妄想することがあるが、これも自分の物珍しい外見のせいで、注目を浴びてしまうと結論せざるを得ない。
それでも気に食わないことには変わらなかった。
乗り換えの駅に到着し、気だるく降りて溢れる人の中に混じっていた時だった。
すれ違いざまに、前日のストーカーの姿を見つけ、はっとする。
トニーの目の前、何事もなく見てみぬフリをしたが、何気ない顔で自分の学校に向かっているストーカー野郎になぜかムカついた。
電車がホームに入り込むのを見ながら、トニーが残念そうに呟いた。
「またそのうち会うだろう」
ジョーイは本心を気づかれずに素っ気無く返事を返したつもりだったが、階段を走って降りてくるのではと、頭を掻くふりをして首を動かし、階段方面をちらりと見つめた。
電車の扉が開き、降りる客は少なく、乗車する客がどっと乗り込み、車内はすし詰めとなる。
電車が動き、つり革を持ち暫く揺られていると、また違和感を覚え、斜め横から視線を浴びている気分になった。
そっと首を動かして気になる方向を見ようとすると、視界に入った全員の視線が一斉に返ってきた。
目が合ってジロジロ見られて耐えられなくなり、また前を向いた。
結局は物珍しさのあまりに、誰かがジョーイを無意識に見ていたということなのだろう。
監視されているなどと時々妄想することがあるが、これも自分の物珍しい外見のせいで、注目を浴びてしまうと結論せざるを得ない。
それでも気に食わないことには変わらなかった。
乗り換えの駅に到着し、気だるく降りて溢れる人の中に混じっていた時だった。
すれ違いざまに、前日のストーカーの姿を見つけ、はっとする。
トニーの目の前、何事もなく見てみぬフリをしたが、何気ない顔で自分の学校に向かっているストーカー野郎になぜかムカついた。