ロストマーブルズ
ふらりと足を店に踏み入れれば、四人の女の子たちがかわいい小物の前に固まっていた。
周りのメルヘンチックな雑貨と混じ合った、楽しそうに笑う少女たちの甲高い声。
目がバチッとスパークする。
思わず目をしばたたかせながら、自分が来るべき場所じゃなかったと後悔した。
あたふたと出ようとするも、女性店員に声をかけられてタイミングを逃してしまった。
「いらっしゃいませ。何かお探しですか」
疑問系でこられたら返事を返さないわけにはいかない。
しかも思いっきり営業スマイルを向けられていた。
「あっ、その、び、ビー玉を……」
「ビー玉ですか。うちにあったかな。ちょっと待ってて下さいね」
店員は奥に引っ込んで探しにいった。
せわしなく雑貨が置かれている通路は狭かった。
かろうじて体を縮こませて、意識しないとすれ違うのも難しく、商品が所狭しと置かれているだけに、全体的にごちゃごちゃして、圧迫感が半端なかった。
しかし女の子たちはその無秩序さが目に飛び込むと、購買威力をつつかれるのか、「かわいい」と何度も連呼している。
「ねぇ、みんなでお揃いでこれ買おうか」
キャッキャと弾む声。
待たされている間、その女子高生をジョーイはちらりと見た。
その中に一人だけ笑ってない女の子がいた。
どこか浮いている印象を感じると、自分と同じ匂いがゆらゆら漂いだした。
しかも顔を見れば、純日本人とは言いがたかった。
ハーフっぽいが西洋風ではなく、強いて言うなら南国アジア系の濃い感じがした。
俺の女バージョン?
ジョーイはなんとなくそんな気持ちを抱いていた。
周りのメルヘンチックな雑貨と混じ合った、楽しそうに笑う少女たちの甲高い声。
目がバチッとスパークする。
思わず目をしばたたかせながら、自分が来るべき場所じゃなかったと後悔した。
あたふたと出ようとするも、女性店員に声をかけられてタイミングを逃してしまった。
「いらっしゃいませ。何かお探しですか」
疑問系でこられたら返事を返さないわけにはいかない。
しかも思いっきり営業スマイルを向けられていた。
「あっ、その、び、ビー玉を……」
「ビー玉ですか。うちにあったかな。ちょっと待ってて下さいね」
店員は奥に引っ込んで探しにいった。
せわしなく雑貨が置かれている通路は狭かった。
かろうじて体を縮こませて、意識しないとすれ違うのも難しく、商品が所狭しと置かれているだけに、全体的にごちゃごちゃして、圧迫感が半端なかった。
しかし女の子たちはその無秩序さが目に飛び込むと、購買威力をつつかれるのか、「かわいい」と何度も連呼している。
「ねぇ、みんなでお揃いでこれ買おうか」
キャッキャと弾む声。
待たされている間、その女子高生をジョーイはちらりと見た。
その中に一人だけ笑ってない女の子がいた。
どこか浮いている印象を感じると、自分と同じ匂いがゆらゆら漂いだした。
しかも顔を見れば、純日本人とは言いがたかった。
ハーフっぽいが西洋風ではなく、強いて言うなら南国アジア系の濃い感じがした。
俺の女バージョン?
ジョーイはなんとなくそんな気持ちを抱いていた。