ロストマーブルズ
「あっ、お待たせしました。以前あったかもしれないんですが、今うちにはビー玉置いてないです」
店員が戻ってジョーイに声を掛けた。
ジョーイは「ありがとうございました」と軽く会釈してその場を早々と去った。
店を出ると、解放されてほっとするも、その先でリルが視線を定めないままボーっとショーウィンドゥの前に立っているのが目に入った。
ジョーイはそっと彼女の前を通り過ぎようとするが、不意に話しかけられてしまった。
「ビー玉だったら、100円均一ショップで売ってましたよ」
「えっ?」と感嘆してジョーイはリルを振り返った。
無愛想に虚ろな目がジョーイを見ていた。
「ああ、ありがと」
咄嗟に礼を言ったが、リルの顔は無表情だった。
益々雰囲気が自分に似ていると感じ、ジョーイはまじまじとリルを見てしまった。
「私の顔に何かついてますか?」
「あっ、いや、ごめん」
ジョーイはいつも自分が見られている立場なので、じろじろと人を見ることがとてもいけないことのように思えて申し訳ないと顔に表す。
それはわかりやすく「すまない」と顔に書いて謝ったみたいに。
そしてさっさと去ろうとしたとき、リルは後ろから慌てて声を掛ける。
店員が戻ってジョーイに声を掛けた。
ジョーイは「ありがとうございました」と軽く会釈してその場を早々と去った。
店を出ると、解放されてほっとするも、その先でリルが視線を定めないままボーっとショーウィンドゥの前に立っているのが目に入った。
ジョーイはそっと彼女の前を通り過ぎようとするが、不意に話しかけられてしまった。
「ビー玉だったら、100円均一ショップで売ってましたよ」
「えっ?」と感嘆してジョーイはリルを振り返った。
無愛想に虚ろな目がジョーイを見ていた。
「ああ、ありがと」
咄嗟に礼を言ったが、リルの顔は無表情だった。
益々雰囲気が自分に似ていると感じ、ジョーイはまじまじとリルを見てしまった。
「私の顔に何かついてますか?」
「あっ、いや、ごめん」
ジョーイはいつも自分が見られている立場なので、じろじろと人を見ることがとてもいけないことのように思えて申し訳ないと顔に表す。
それはわかりやすく「すまない」と顔に書いて謝ったみたいに。
そしてさっさと去ろうとしたとき、リルは後ろから慌てて声を掛ける。