ロストマーブルズ
「クーン」
「ノー、クワイエット! シー」
キノが犬に向かってひとさし指を口元にあてていた。
少し離れた大型電気店の中から顔を出して、ジョーイ達の様子を伺っている。
「よっ、キノちゃん。今日もツクモのトレーニングかい」
人のよさそうな、ふくよかなおじさんが店の奥からやってきた。
「あっ、店長。いつもお世話になってます」
「いいんだよ。盲導犬の訓練にうちの店にいつでもつれてきな。歓迎だよ。だけどそういえば、昨日この近くのコンビニで強盗未遂事件があってその時の映像みたけどなんかツクモに似てたな」
電気店の店長は腕を組んで不思議そうにツクモをじっと見る。
「いやだ~。私もそれ見ましたけど、あれはツクモじゃないですよ。こんな大人しいツクモが人を襲ったりする訳ないじゃないですか。人違いならぬ、犬違いですよ」
「そうだよな。こういう犬よくいるもんな。それにツクモはこんなに大人しいから人なんて噛まないよな。第一盲導犬だし」
ツクモと呼ばれた犬は、はちきれんばかりに尻尾を振って愛嬌を振りまいていた。
キノはジョーイたちの姿がすっかり見えなくなったのを確認してから、店長に挨拶をしてその場を去った。
「ツクモ、なんか派手にやっちゃったね。あの二人も私を探してるみたいだったし。ねぇ、これからどうする」
ツクモは首を傾げて哀れんだ目をキノに向けた。
そして家に戻ったジョーイとトニーはネットでミラ・カールトンを検索して大声を上げていた。
「ええっ! う、嘘だろ……」
「ノー、クワイエット! シー」
キノが犬に向かってひとさし指を口元にあてていた。
少し離れた大型電気店の中から顔を出して、ジョーイ達の様子を伺っている。
「よっ、キノちゃん。今日もツクモのトレーニングかい」
人のよさそうな、ふくよかなおじさんが店の奥からやってきた。
「あっ、店長。いつもお世話になってます」
「いいんだよ。盲導犬の訓練にうちの店にいつでもつれてきな。歓迎だよ。だけどそういえば、昨日この近くのコンビニで強盗未遂事件があってその時の映像みたけどなんかツクモに似てたな」
電気店の店長は腕を組んで不思議そうにツクモをじっと見る。
「いやだ~。私もそれ見ましたけど、あれはツクモじゃないですよ。こんな大人しいツクモが人を襲ったりする訳ないじゃないですか。人違いならぬ、犬違いですよ」
「そうだよな。こういう犬よくいるもんな。それにツクモはこんなに大人しいから人なんて噛まないよな。第一盲導犬だし」
ツクモと呼ばれた犬は、はちきれんばかりに尻尾を振って愛嬌を振りまいていた。
キノはジョーイたちの姿がすっかり見えなくなったのを確認してから、店長に挨拶をしてその場を去った。
「ツクモ、なんか派手にやっちゃったね。あの二人も私を探してるみたいだったし。ねぇ、これからどうする」
ツクモは首を傾げて哀れんだ目をキノに向けた。
そして家に戻ったジョーイとトニーはネットでミラ・カールトンを検索して大声を上げていた。
「ええっ! う、嘘だろ……」