(仮題)魔女のいるファンタジー
 毒林檎って何だ?

 少なくとも重い病気などではなさそうだ。もっと──何だろう。

 背筋が薄ら寒くなるような。

「だからきっと、私は残りの毒林檎も食べるでしょう。もう逃れられない」

 毒林檎。
 毒の、果実。

 魔鏡さんが、サングラスの奧で目を細めた。
「食べたらどうなるか、わかっていても?」

 食べたら死ぬ。

「はい」
 こくん、と白雪さんは頷く。

「何の──話をしてるんですか」

 堪りかねて、僕は二人に尋ねた。
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